女子千円の日なので映画を2本はしご。コミケ終わってようやく観に行けました。

時をかける少女
テアトル新宿の初回で立ち見。30分前に行こうと思ったのに、出遅れた…。しかし2回目はさらに行列がすごくなってたので、初回で入ってよかったかも。立ち見で映画観たなんて何年ぶりだろう。
細田守監督なので、よくできてるに決まってるんで、逆にあまり期待なく観たんですが、主人公の真琴がすがすがしいほどのバカでカラッとしてて面白かったです。学校の薄暗い理科室と思春期の女の子の無意識の性衝動みたいな隠微なイメージは先行の映像作品でもうやっちゃったから、これはこれで正解かな。
あーもう、冒頭の野球のシーン、真琴のへなちょこ投球フォーム(女投げ、ね)からぐぐっと引き込まれました。夏の青空と野球なんてイメージ、卑怯だ。
笑えるシーンがこんなに多いと思わなかったです。前半の真琴がカラオケでもっと歌いたいとかプリン食べたいとか鉄板焼き食べたいとか超くだらん事でがっつんがつん転がりながらタイム・リープしまくるあたりね。バカだ。タイム・リープするために本当に跳ぶってのがまたバカっぽくていいや。
映画観てる間、舞台はどこなんだろうと思ってましたが、パンフレット読んだら東京でした。ビル街の遠景とか東京ぽかったんだけど、大林版の尾道が頭にあったせいか、素直に東京、っていうのが浮かばなかったみたいです。考えたら東京も坂の多い街ですね。パンフでロケハン場所として上がってた豊島区高田って、確かにころんだら下まで転がり落ちそうな強烈な坂だらけですよ。


ローズ・イン・タイドランド
新宿武蔵野館で。こっちはなんとか座れたけど満席でした。
えーとこれは…。ジャンキーの親にネグレクトされた少女の空想入り交じる異常な日常のお話、かなあ。異常で残酷でグロテスクな現実を妄想力で乗り切っていく、ってのはいつものギリアムワールドなんですが、自分、子供がひどい目にあう話が苦手なので結構きつかったかも。
少女の空想世界をピュアな子供の王国、と解釈する人や、どんな境遇でも空想で乗り切る強さ、と解釈する人にとっては前向きな映画と見えるらしいですが、実際のとこ、ローズはずっと孤独で空腹なので、幸せではないと思う。ていうか、ローズが餓死しないかびくびくしながら観てたので、最後に世話してくれそうな人が見つかってほっとしましたよ。
映画の中でもアリスのモチーフが使われているし、邦題もアリスインワンダーランドをもじっているんでしょうが、私は「禁じられた遊び」を連想しました。死のイメージが全編を覆っている。死体も一杯出てくるし。
あとまあ、すごいヤバいロリコン映画でした。これアメリカとかで公開できたんかいな。知的障害か精神障害かの男(この人も虐待されてる)をローズが誘惑するあたりはヤバすぎ。少女の空想世界がピュアどころではないエログロ残酷含みだというのはまったく共感いたしますが。
ほぼ全編、一人で保たせているローズ役のジョデル・フェルランドは末恐ろしい女優だと思いました。


ゲド戦記」はまた今度。